音楽に救われる日常
音楽が救いだった。まあ、それほど辛い日々であったということでもないのだけれど。それでも、一日の仕事が終わり、自宅で夜にヘッドホンで聴く音楽にひたることが救いだった。
オーディオセットをきちんとセッティングして、リスニングポイントを決めて、LPレコードをターンテーブルに乗せる。1曲めから片面全曲を聴くのに、およそ20分ちょっと。この時間は、何も考えずに音楽を楽しむだけに集中する。
ながらで聴くのではなく、目を閉じて、音楽に集中する。ただただ純粋に音楽を聴く。そして、片面聴き終わったら、そこでレコード鑑賞は、終了にする。趣味としては、ごく短い時間でしかない。でも、意義は大きい。
日中仕事をしながら、空き時間に時々、今日は何を聴くかを考える。
昔、東京のとあるロック喫茶で、リクエストして聴いた YESの「こわれもの」というアルバムが忘れられない。もちろん、それまでも好きで何度も聴いたアルバムではあったが、高級オーディオで再生され、確かパラゴンというスピーカーから流れるその音楽はまったくの別物であった。音量が大きく、音質も良い。強いていうとすれば、ライブ・コンサートのような音圧。レコード一枚にここまで情報が含まれているのだということを痛感した瞬間であった。
以前、自作スピーカーを作ったことがある。大学時代の最後の夏休み全部をついやして長岡鉄男さん設計の「ケムンパス」というスピーカーであった。